のらねこ生活  記録本部

miruが適当なことをつぶやいているよ 基本ツイッターやpixivに生息してるよ テスト嫌だよ

空狐(仮) pixiv up

君は信じるだろうか。
この学校の噂と…


あてんしょん
・国語力皆無

・趣味全開

・オリキャラです
・うしろに変なののついてるけどスルーで

それでもかまわない方はどうぞ
 
 
真新しい空気とともに新入生が体育館に入ってくる。
みんな緊張の色が浮かんでいたり、新しいことへの興味があったり…
今日の入学を楽しみにしていた人。
心配していた人。
まあ、ほとんどが小学校が一緒で顔見知りのやつらばかり。
そんな人たちの顔を見て、信(しのぶ)は緊張や興奮とはまた違ったことを考えていた
この学校には本当に…
「えー…新入生のみなさん、本当におめでとうございます。」
校長先生の声が信の考えを打ち切った。
「なぁ信ー。」
ふと後ろから声がした。
「なんだー?つーかばれたらやばいだろ。」
「大丈夫っしょ。それよりクラス一緒だったなー。」
「そうだな」
声の主は2年のころからずっと同じクラスのやつだった。
それ以上に話も続かず、先生や代表の方たちの声を聴くだけだった。

「新入生退場」
この声とともに新入生である俺たちは、体育館を後にした。
「はぁー緊張したー」
「同じクラスで良かったね!」
体育館を出た新入生はあることないこと感想を口にした。
「信ー!」
「おー!クラスまで一緒に行こうぜ」
「おう!今年も宜しくな。」
「おー宜しく。」
「そういえばさ…知ってるか?」
「な…なんだよ信…」
「この学校に伝わる噂を」
「噂?」
「そう。何でもこの学校には4年に1度…不思議な生徒が入学するらしい。」
「4年に1度!?」
「そう、それで今年がその4年目らしいよ。」
「まじかよ。ていうか不思議な生徒って…どんなのだよ」
「それが…聞いたってだけだから詳しくわかるやつはあまりいないって。」
「もしかしてうちのクラス?」
「毎年変わるけど、今年はうちのクラスだっていってた」
「まじかー」
こんな他愛もない話をしているとあっという間に教室の前についた。
「それじゃーまたあとでな!」
「おうよー」

それから先は担任の紹介だったりいろいろ説明だったり…
「それじゃあ自己紹介するぞー」
「名前と自己アピールな」
と、自己紹介をすることになった。
席は出席番号順だが、なぜだか俺は後ろのほうだった。
前のやつの自己紹介が終わった。
さて…こいつらに真実を教えるか。
俺は少しニヤつきながら、席を立った。
「俺の名前は信です。苗字はありません。」
はっ?何言ってるの?
佐藤だろ?おい?
周囲がざわついた。
それが何とも面白い。
「小さいころに親に捨てられ、苗字など知らずに、与えられた苗字は嫌だったんで。」
「信にはいろいろあるんだ。そのことで馬鹿にしたりしちゃいけないからな。」
先生の何とも温かく心のこもっていないお言葉をもらい席に着いた。
俺について少し説明しよう。
俺は親がいない。今は一人暮らしでなんとかしている。
小学校の頃は周りに「佐藤」という苗字を名乗っていた。
それくらいだ。
「それじゃあ次ー」
きっと後で質問攻めだろうな。
そんなことを考えて後ろを見た。
すると、後ろの人はうちの小学校ではないことに、今まで全く気が付かなかった。
そして、何か回りとは違う空気を放っていた。
彼女は髪が赤く一つに縛っている。
片方の目は髪に隠れていて見えないが、目の色は青色で、肌は白い。
外国の人だと考えるのも正しかったのに、その時俺は…
まるで人間ではないような感じだった。
「名前はミルです。よろしく」
近くの人にしか聞こえないような声で、自己紹介をしたミルという生徒は俺と目を合わせると、何か感心するような、知らなかったものを教えてもらうような眼をした。
だがそれも一瞬ですぐにさっきの目に戻った。
俺はこいつだと思った。
例の噂の不思議な生徒。
「ミルは生まれてから結構の間海外に居たそうだ。海外でも日本語を勉強していたということだ。いろいろわからないこともあるだろうから、教えてやるんだぞ。」
「じゃぁ、次で最後な。」
先生の声がしてから、周りがざわつき始めた。
あいつは…小学校の頃…
「名前はレイ。性は無い。宜しく」
また周囲がざわついた。
あいつ…レイは小学校のころからたくさんのやつにいじめられていた。
中学になったからこそ幼稚なことはしないだろうと思っていた俺の予想は、もしかしたらまったくもって外れるのかもしれない。
友達はできるかどうか怪しいところだが。
レイについても少し話をしよう。
レイと俺は幼馴染。小さい頃はよく遊んでいた。
ここから先はレイも知らない。俺もよくはしらないこと。

先生の話が続いているが、さっきから変な違和感が胸の奥底にいるようだった。
そしてもうすでに今日の予定は終わっているようだった。
「起立!気を付け。礼」
さよならー
皆友達のところに行ったり話したり…
俺はとりあえずあの不思議な生徒と話そうと思い…
「おーい。ミルさん?ちょっといいか…」
そういいながら後ろを向くと、ミルはすでに席にはいなかった。
荷物が置いてあるからまだ外に入っていない様子だった。
「信ー?ミルさんに興味あるの?」
そういってそばに寄ってきたのは先ほど声をかけてきた友達だった。
ほかにも俺に事情を聴こうとしているクラスメイトがたくさんいた。
「え?まぁな」
「ふーん…ミルさん綺麗だったもんなー…そういえばミルさんならレイと一緒にどこかに行ってたよ」
「おう!有難う。」
「それより信ー!さっきのどういう…」
「わりー!あとでしっかり説明する。」
レイとミル…
何かありそうだというこの気持ちが理由より行動を先にしていた。