のらねこ生活  記録本部

miruが適当なことをつぶやいているよ 基本ツイッターやpixivに生息してるよ テスト嫌だよ

空狐(仮) 2

pixivにupしたもの。

宜しければ目を通していただければ嬉しいです。

 

教室からそう離れてはいない階段に俺は連れてこられた。
重い沈黙。
俺は、相手に声をかけようとした瞬間、俺の耳には怖い・嫌だ・なぜ?という声が聞こえてきた。
まただ。これはこいつがいじめられている…?
これ以上考えても意味などないから、俺は相手に声をかけた。
「えっとー…あのー…なんですか?」
いつもの性格を押し殺して、性格のいいように頑張っていた。
「あぁ、単刀直入に聞く。どうしてお前みたいなのがここにいる?」
背筋が凍るような気分になった。
だが、ここではしらを切るしか方法はない。
「えっと…どういうことですか?」
相手の目が一気に冷えていく。
男に見える容姿だが本当は女だろう。
「説明しなくてはならないか。狐と人間の血を持つ者。狐の種類は空弧だろうな。人間にずっと化けてられるということは、結構な妖力を持っているな。」
相手は淡々と俺の事実を告げていった。
ここはとりあえず理由を聞いてみる。
「なぜだ?」
相手は黙ってしまった。
なぜだろう、こいつからは感情がさっぱり読み取れない。
なぜ…
その時ふと、ある噂を思い出した。
「お前、もしかして…あのレイか?」
相手は少し驚いて、だが少しわからないような顔をした。
「あのってなんだよ」
その時、結構後ろらへんから人間の気配を感じた。
普通の人間にはわからないくらいのかすかな気配だ。
「人か」
「動かなくていいのか?」
「別に、あいつはただの人間だ。勘が鋭いけどな」
こいつはやはりあのレイだ。
人間と妖怪を区別できる。ただでさえ勘が鋭いなども感じ取ってしまうのだから。
「まぁ、誰がつけたのか知らないがいい名前だな。」
「そうか?誰がつけてくれたのは覚えてないな…ちなみに漢字で書くと海に松。それでミルと読むらしい。」
レイはただ静かに「そうか。」というだけだった。
その顔が噂とは違う顔だった気がした。
そしてそこには先ほどの人間がすぐ近くに来ていた。